清算会社では、法律の定めに従い、次のような清算事務を行います。
① 財産目録の作成
② 貸借対照表の作成
③ 債権の取立て
④ 債務の弁済
⑤ 債権届出の公告及び催告
⑥ 残余財産の分配
⑦ 清算事務の終了
⑧ 清算結了登記
⑨ 帳簿資料の保存
清算人は、その就任後遅滞なく、清算会社の財産の現況を調査し、財産目録を作成しなければなりません。清算しなければならない法人財産を明確にするため、解散日時点の目録を作成することになります。
財産目録は、「資産」「負債」「正味財産」に分けで表示します。この財産目録に計上すべき財産の評価については、処分価格によるものとされています。
貸借対照表についても、財産目録と同じように解散日時点のものを作成しなければいけません。
この貸借対照表は、財産目録に基づき作成しなければなりません。それぞれ「資産」「負債」「純資産」に分けて表示します。
貸借対照表については、清算結了するまで各清算事務年度ごとに作成しなければいけません。
債権の取立てとは、債務者から履行をうけることをいいます。売掛金を払ってもらうなどです。
有価証券や不動産などは、売却等によって現金化するのが原則です。
清算会社の債権について、たとえ少額であっても残した状態で清算結了することはできませんので、債権放棄などする必要があります。
債務の弁済とは、会社の債権者に対して、債務を弁済することをいいます。買掛金の精算などです。
なお、清算会社は、下記に記載する債権申出期間内は、債務の弁済をすることができません。一部の債権者に弁済した後に他の債権者に対する弁済に不足が判明するという事態を避けるためです。
清算会社は、一定の期間内(2か月)に債権者に対して、その債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければいけません。この期間内は、債務の弁済はできません。
残余財産の分配とは、清算手続きが終わり、会社になお残った財産を各社員に分配することをいいます。
残余財産の分配方法としては、原則として各社員の出資額に応じて分配します。
清算人は、現務の結了、債権の取立て及び債務の弁済、残余財産の分配など、清算事務が終了したときは、遅滞なく計算をして、各社員の承認を受けなければなりません。
総社員がそれを承認したとき、又はその計算に対して社員が1か月以内に異議を述べなかったときは、承認したものとみなされ、清算が終了します。
清算が結了したときは、清算事務の終了につき承認した日から2週間以内に、その主たる事務所において清算結了の登記をしなければいけません。
清算結了の登記は、法人格を消滅させる効果があるわけではありません。法人格は、清算結了の手続が全て終了したときに、消滅することことになります。
清算人は、清算会社の主たる事務所の所在地における清算結了の登記の時から10年間、清算会社の帳簿並びにその事業及び清算に関する重要な資料を保存しなければいけません。
これらの資料の閲覧等の請求については、裁判所の認可を得た者のみに請求権が認められるとされています。
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