社団医療法人は、医療法人の活動の原資となる資金の調達する手段として、定款で「基金」の制度を採用することができます。
基金とは、医療法人に対して、拠出される金銭その他の財産のことをいいます。基金制度を採用した医療法人は、基金拠出者に対して、拠出時の財産の価格に相当する金銭の返還義務を負います。
基金制度を採用するには、基金を受ける者の募集等に関する定款の定めが必要になります。定款には次の事項を定めなければなりません。
① 基金の拠出者の権利に関する規定
② 基金の返還の手続き
基金を引き受ける者を募集しようとするときは、その都度次の事項を定めなければなりません。
① 募集に係る基金の総額
② 金銭以外の財産の拠出の目的とするときは、その旨並びに当該財産の内容及び価額
③ 基金の拠出に係る金銭の払込み又は②の財産の給付の期日又はその期間
募集事項が決定したら、基金の引受けの申込みをしようとする者に対して、次の事項を通知しなければいけません。
① 社団医療法人の名称
② 募集事項
③ 金銭の払込みの取扱いの場所
④ 基金の拠出者の権利に関する規定
⑤ 基金の返還の手続き
⑥ 定款に定められた事項(請求があった事項)
設立時社員が通知する場合はさらに
① 設立認可の年月日
② 医療法人の目的
③ 事務所の所在地
④ 社員の資格の得喪に関する規定
⑤ 公告の方法
⑥ 設立時社員の氏名又は名称及び住所
⑦ 会計年度
基金の引受ける者の募集に応じて基金の引受けの申込みをする者は、次の事項を記載した書面を交付しなければなりません。
① 申込みをする者の氏名又は名称及び住所
② 引き受けようとする基金の額
申込者からの申込み対して、医療法人は基金の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる基金の額を定めなければなりません。
医療法人は、基金の拠出に係る金銭の払込みの期日(期間の初日)の前日までに、申込者に対して、当該申込者に割り当てる基金の額を通知しなければいけません。
基金の引受人は、期日又は期間内に金銭であれば、銀行等払込みの取扱いの場所において基金の払込金額の全額の払込みを、現物拠出財産であれば給付をしなければいけません。
基金の引受人は、次に定める場合には、下記のとおり拠出の履行をした基金の拠出者となります。
① 期日を定めた場合 当該期日
② 期間を定めた場合 拠出の履行をした日
基金を返還するには、定時社員総会の決議が必要です。そして返還する基金の額についてはある会計年度に係る貸借対照表上の純資産額が次に掲げる金額の合計額を超える場合においては、当該会計年度の次の会計年度の決算の決定に関する定時社員総会の日の前日までの間に限り、当該超過額を返還の総額の限度として基金の返還をすることができます。
① 基金(代替基金を含む)の総額
② 資産につき時価を基準として評価を行っている場合において、その時価の総額がその取得価額の総額を超えるときは、時価を基準として評価を行ったことにより増加した貸借対照表上の純資産額
③ 資本剰余金の価額
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