公告とは、宗教法人が行う財産処分など、運営において重要な事項について信者その他利害関係人に広く知らせることをいいます。
宗教法人の財産は檀信徒が寄附したものがほとんどで、その宗教法人の財産として適切に管理運営していく必要があります。むやみ不動産を処分したり、投機したりするなどして宗教法人の財産を減少させることがないよう努めなければなりません。
法律に定めた宗教法人の重要な事項について、信者その他利害関係人に知らせることにより、広く意見を募り、宗教法人の財産をむやみに減少させることで宗教活動に多大な影響を及ぼすことがないようにしなければならないとさせれています。
宗教法人の公告は、新聞紙又は当該宗教法人の機関紙に掲載し、当該宗教法人の事務所の掲示場に掲示し、その他当該宗教法人の信者その他の利害関係人に周知させる適当な方法でするとさせれています。
公告をする方法は、規則でも定められていていますし、登記もされますので、だれでも知ることができます。
新聞紙や機関紙に必ずしも掲載させる必要はなく、掲示場に掲載するだけでも構いません。
宗教法人が公告が必要な場合は、法律で定められており、下記のとおり重要な事項について行う場合は、事前に公告をしなければならないことになります。
公告が必要な場合 | 公告する事項 | 公告の対象 | 据置期間 |
設 立 | 規則案の要旨 | 信者その他の利害関係人 | 1か月 |
財産の処分 担保の提供 | 処分する物件、価格、相手先、処分の目的、処分の方法など | 信者その他の利害関係人 | 1か月 |
借入・保証 | 借入金額・保証債務額、借入目的・保証理由、借入条件・保証条件など | 信者その他の利害関係人 | 1か月 |
境内建物の新築等 | 新築等する建物の名称、建坪、理由など | 信者その他の利害関係人 | 1か月 |
境内地内の著しい模様替 | 模様替の理由、面積、経費など | 信者その他の利害関係人 | 1か月
|
境内建物、境内地の用途変更 | 用途変更の概要、理由、経費など | 信者その他の利害関係人 | 1か月 |
規則変更(被包括関係の設定・廃止のみ) | 規則変更の案の要旨 | 信者その他の利害関係人 | 2か月 |
吸収合併 | 合併契約案の要旨 | 信者その他の利害関係人 | 2か月 |
催告に関する事項 | 債権者 | ||
新設合併 | 上記吸収合併の事項及び新設法人の規則案 | 信者その他の利害関係人 | 2か月 |
被包括関係の設定・廃止を伴う合併 | 吸収合併又は新設合併の事項及び被包括関係の設定又は廃止に関する事項の要旨 | 信者その他の利害関係人 | 2か月 |
解散 | 解散をする旨の公告 | 信者その他の利害関係人 | 2か月 |
なお、「据置期間」とは、公告が終わってから、行為までに開けないといけない期間のことをいいます。
たとえば、公告の方法を「事務所の掲示場に10日間掲示する」としている宗教法人が財産を処分する場合は、財産を処分することを掲示場に公告してから10日経過後、さらに1か月たってから財産処分を行わなければいけないということになります。信者その他の利害関係人は公告終了後1か月の間に意見を述べることになります。
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