学校法人には、評議員会、理事、理事会、監事を置かなければいません。
業務執行機関として理事会、重要事項等の諮問機関としての評議員会、監査機関として監事という役割となります。
理事とは、学校法人の業務執行の意思決定を行う理事会の構成員のことをいいます。
学校法人は、原則理事を5人以上置かなけれなりません。学校法人の理事は、会社の役員と同じように、善管注意義務、忠実義務を負います。
学校法人の理事は、
① 当該学校法人の設置する私立学校の校長(学長や園長含む。)
② 当該学校法人の評議員のうちから、寄附行為の定めるところにより選任された者
③ ①②のほか、寄附行為の定めるところにより選任された者
でなければなりません。ただし学校法人が私立学校を2つ以上設置する場合は、寄附行為に定めるところにより、校長のうち一人又は数人を理事とすることができます。
理事は、その選任の際現に当該学校法人の役員又は職員でない者が含まれるようにしなければいけません。また理事の配偶者又は三親等以内の親族が一人を超えて含まれることになってはいけません。
下記の者は、学校法人の理事になることができません。
① 禁錮以上の刑に処せられた者
② 教育職員免許法第10条第2号又は第3号に該当することにより免許状がその効力を失い、当該失効の日から3年を経過しない者
③ 教育職員免許法第11条第1項から第3項までの規定により免許状取り上げの処分を受け、3年を経過しない者
④ 日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他団体を結成し、又はこれに加入した者
⑤心身の故障のため理事の職務の適正な執行ができない者
理事長とは、学校法人の代表し、学校法人の業務に関する一切の行為をする権限を有しています。
理事のうちから、寄附行為で定めることろにより理事長が選ばれます。
理事長は、毎会計年度終了後2か月以内に、決算及び事業の実績を評議員会に報告し、その意見を求めなければいけません。
理事会とは、理事で構成される学校法人の業務執行機関です。
学校法人の業務を決定します。また理事の職務執行を監督します。
理事会を招集するのは、理事長ですが、学校法人の業務等に関して不正等があった場合、監事は理事長に対して、理事会の招集を請求できます。
理事会は、理事長が招集し、議長となります。議決に加わることができる理事の過半数が出席し、出席した理事の過半数の賛成で決します。
理事会には、理事本人の出席が原則ですが、寄附行為に定めれば、書面による意思表示も可能とされています。
理事は、1人1個の議決権を持っています。決議事項に特別の利害関係を有する者は、議決権を行使することはできません。
監事は、学校法人の監査機関として、次の職務を行います。
(1)学校法人の業務を監査すること
(2)学校法人の財産の状況を監査すること
(3)理事の業務執行の状況を監査すること
(4)学校法人の業務又は財産の状況又は理事の業務執行の状況について、毎会計年度、監査報告書を作成し、当該会計年度終了後2ヵ月以内に評議員会及び理事会に提出すること
(5)監査の結果、学校法人の業務又は財産又は理事の業務執行に関し不正の行為又は法令若しくは寄附行為に違反する重大な事実があることを発見したときは、これを所轄庁、評議員会又は理事会に報告すること
(6)(5)の報告をするために必要があるときは、理事会及び評議員会を招集すること
(7)学校法人の業務若しくは財産の状況又は理事の業務執行の状況について、理事会に出席して意見を述べること
監事は、評議員会の同意を得て、理事長が選任します。
監事は、理事の業務を監督する立場なため、その学校法人の理事、評議員、職員などを兼ねることはできません。
また監事は、理事の配偶者又は三親等以内の親族以外の者から選任することが望ましいとされています。
監事も理事と同じように欠格事由があります。
① 禁錮以上の刑に処せられた者
② 教育職員免許法第10条第2号又は第3号に該当することにより免許状がその効力を失い、当該失効の日から3年を経過しない者
③ 教育職員免許法第11条第1項から第3項までの規定により免許状取り上げの処分を受け、3年を経過しない者
④ 日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他団体を結成し、又はこれに加入した者
⑤心身の故障のため理事の職務の適正な執行ができない者
評議員会とは、学校法人の評議員で構成される合議制の機関で、学校法人の重要な事項に関する諮問機関です。
評議員会は、理事定数の2倍を超える数の評議員が必要です。
また評議員となる者は次のとおりです。
①学校法人の職員のうちから、寄附行為の定めるところにより選任された者
②学校法人の設置する私立学校を卒業した者で年齢25年以上の者のうちから、寄附行為の定めるところにより選任された者
③①②のほか、寄附行為の定めるところにより選任された者
評議員会は、学校法人の業務等について、役員に対して意見を述べ、役員の諮問に答え、又は役員から報告を徴することができるとされています。
理事会は、諮問機関である評議員会の意思に法的に拘束されるわけではありませんが、以下の重要な事項に関しては、事前に評議員会の意見を聞かなければなりません。
① 予算及び事業計画の作成
② 事業に関する中期的な計画の作成
③ 借入金及び重要な資産の処分に関する事項
④ 役員に対する報酬等の支給の基準
⑤ 寄附行為の変更
⑥ 合併
⑦ 理事の3分の2以上の同意による解散(評議員の議決を要する場合は除く)及び目的の成功の不能による場合の解散
⑧ 収益を目的とする事業に関する重要事項
⑨ その他学校法人の業務に関する重要事項で寄附行為をもって定めるもの
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