解散した宗教法人(清算法人)において、清算事務は清算人が行います。合併や破産手続開始の決定による解散以外では必ず清算人がおかれます。
清算法人においては、1人又は2人以上の清算人を置かなければいけません。
次に掲げる者が清算人となります。
① 規則で定める者
・規則で具体的に清算人を定めたときは、その者が清算人となります。たとえば、「当法人が解散した時は、解散時の代表役員が清算人となる」といった定めがある場合です。
② 解散に伴い選任された者
・解散に際して、代表役員又はその代務者以外の者を清算人に選任した場合には、その者が清算人となります。
③ 法定清算人
・上記により清算人となる者がいない場合は、解散時の代表役員又はその代務者が清算人になります。
④裁判所による選任
・上記①②③により清算人となるべき者がいないときは、裁判所は利害関係人の申立により清算人を選任することになります。
宗教法人が解散したときは、責任役員及びその代務者は規則に別段の定めがない限り退任します。宗教法人の代表役員又はその代務者で清算人にならなかった者についても同様です。
所轄庁の認証の取消しや裁判所による解散命令により解散したときは、代表役員、責任役員及び代務者は当然に退任します。
清算人が就任したときは、その就任の日から主たる事務所において2週間以内に、清算人の就任の登記をしなければいけません。
清算人の就任の登記は、清算人の住所、氏名、就任年月日が登記されます。
清算人が変更した場合も、同様に変更があったときから2週間以内に変更の登記をしなければなりません。
清算人の職務は次のとおりです。
現務の結了とは、解散前に着手していた事務を完了させることをいいます。まだ着手していない事業等はもともと事業計画で決めていても行うことはできません。
なお、現務を結了させるために必要であれば、新たに契約を結ぶなど法律行為をすることもできます。た例えば、清算するために必要な事務所を借りるなどです。
債権の取立てとは、債務者から履行をうけることをいいます。売掛金を払ってもらうなどです。
有価証券や不動産などは、売却等によって現金化するのが原則です。
清算法人の債権について、たとえ少額であっても残した状態で清算結了することはできませんので、債権放棄などする必要があります。
債務の弁済とは、法人の債権者に対して、債務を弁済することをいいます。買掛金の精算などです。
なお、清算法人は、一定の期間内(2か月)に債権者に対して、少なくとも3回、その債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければいけません。この期間内は、債務の弁済はできません。
解散をした宗教法人に残った財産(残余財産)のは、規則で定めるところにより処分します。
規則にその定めがないときは、他の宗教団体又は公益事業のためにその財産を処分することができます。
上記により処分されない財産は、国庫に帰属します。
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