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残余財産の分配

 会社が解散した後、債権を回収し、債務を弁済した後に残った会社の財産のことを「残余財産」といいます。

 残余財産は会社の持ち主である「株主」に対して分配されます。

 会社は、この残余財産を分配しようとするときは、清算人の決定(清算人会設置会社にあっては、清算人会の決議)で

 ①残余財産の種類

 ②株主に対する残余財産の割当てに関する事項

を決め、分配を行います。

残余財産の分配の方法

 株式会社においては法律上「株主平等の原則」というものがあり、各株主の有する株主の数に応じて平等に分配しなければいけません。

 ただし、例外として内容の異なる株式(種類株式)(ex 残余財産の分配をしない、種類ごとに割当ての取扱いを変える など。)を発行している場合は、株式の内容に応じて分配します。

 また、本来であれば債務を弁済した後でなければ、残余財産を分配することができませんが、債務の存在や額に争いがあるものについては、弁済するのに必要と認められる財産を残して、残余財産を分配することもできます。

現物分配について

 会社が解散後、債権を回収し、債務を弁済したあと会社に残った財産(残余財産)は換価したうえで、金銭で分配するのが原則ですが、不動産など現物分配をすることも可能です。

 会社は現物分配を行いたい場合は、清算人の決定(清算人会設置会社においては、清算人会の決議)で

 ①金銭分配請求権を行使することができる期間

 ②一定数未満の数(基準株式数)の株式を有する株主に対して残余財産の割当てをしないこととするときは、その旨及び数

 を決め、金銭分配請求権行使期限日の20日前までに株主に対し、行使期間及び基準株式数を通知しなければいけません。

 各株主に対して、金銭での分配の選択肢として保障をしています。

 また、会社で基準数を定めて基準数以下の株主に対しては現物分配は行わないとすることもできます。現物財産の規模によっては現物分配を行うことによってすべての株主に対して現物を用意することはコストがかかることから、一部金銭分配のみとすることができるようにしたものです。

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各種会社(法人)の解散

 株式会社とは、株主から委任を受けた経営者が事業を行い、利益を株主に配当する会社のこと。株主は出資した限度で責任を負います。

 有限会社とは、以前設立が認められていた形態で有限会社法を根拠に設立させた会社のこと。現在は設立できません。

 合同会社とは、原則として出資者と経営者が同じで、所有と経営が一体化している会社のこと。出資者は株式会社と同様出資した限度で責任を負います。

 合資会社とは、有限責任社員と無限責任社員の2種類の社員が存在する会社のこと。

 合名会社とは、無限責任社員のみによって構成される会社のこと。社員全員が会社債務について直接無限の責任を負います。

 一般社団法人とは、人が集まった組織体で、剰余金の配当を行うことを目的としない法人のこと。

 一般財団法人とは、財産の集まりに対して法人格を与えられた団体のこと。一般社団法人と同じく剰余金の配当を目的としません。

 特定非営利活動法人とは、ボランティア活動などを行う団体で法人格が付与された法人のこと。

 医療法人とは、病院、医院や歯科医師が常時勤務する診療所又は介護老人保健施設を開設することを目的として設立された法人のこと。

 宗教法人とは、教義をひろめ、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを目的とした団体のこと。都道府県知事若しくは文部科学大臣の認証が必要です。

 学校法人とは、私立学校の設置を目的として設立される法人のこと。都道府県知事若しくは文部科学大臣の認可が必要です。

 社会福祉法人とは、社会福祉事業を行うことを目的として、社会福祉法の定めるところにより設立された法人のこと。

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村井 賢介

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