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特定目的会社の解散

 特定目的会社が解散した場合、本店の所在地を管轄する法務局で解散登記、清算結了登記をしなければいけません。

 特定目的会社は解散することによって、事業活動を停止します。

 そして、特定目的会社に残った財産を整理する「清算」手続が完了すると、特定目的会社は法律上消滅します。

解散してからの流れは・・・

 まず、特定目的会社が解散すると、清算させる人(清算人)が選ばれます。原則として、清算開始時の取締役が清算人になります。現務を結了させて、残った財産を換価し、債権を取り立て、債務を弁済します。

 また、清算人は特定目的会社の財産状況を調査し、財産目録と貸借対照表を作成します。

 残った財産を換価し、債務を弁済してもまだ特定目的会社の財産が残っている場合、社員に分配します。特定目的会社の財産が皆無になったところで終了することになります。

➡ 特定目的会社の解散の流れについてはこちら

どのような場合に解散するのか・・・

 特定目的会社は次の事由によって解散します。

 1 定款に定めた存続期間の満了

 2 定款で定めた解散の事由の発生

 3 社員総会の決議

 4 破産手続開始の決定

 5 解散を命ずる裁判 

 6 内閣総理大臣が発する解散命令

 7 資産流動化計画に記載し、又は記録する特定資産の譲受け、資産対応証券の発行又は特定借入れの実行の不能

 8 その他政令で定める事由の発生

➡ 解散日について

清算人(特定目的会社)

 解散した特定目的会社においては、清算人が事務を執行し、当該会社を代表します。

 特定目的会社が解散した場合は、取締役が清算人となります。ただし、定款の定めや社員総会の決議によって別の者が清算人になることがあります。

➡ 特定目的会社の清算人等の機関についてはこちら

債権届出の公告及び催告

 特定目的会社が解散したときは、清算人は、その就職の日から2か月以内に、官報公告をもって、債権者に対して、2か月を下らない一定の期間内にその請求の申出をなすべき旨を催告しなければいけません。また判明している債権者には、各別にこれを催告しなければいけません。この期間内は、債務の弁済はできません。

特定目的会社の清算

現務の結了

 現務の結了とは、解散前に着手していた事務を完了させることをいいます。まだ着手していない事業等はもともと事業計画で決めていても行うことはできません。必要に応じて、従業員との雇用契約の解消、事務所の賃貸借契約の解約などがこれにあたります。

 なお、現務を結了させるために必要であれば、新たに契約を結ぶなど法律行為をすることもできます。た例えば、清算するために必要な事務所を借りるなどです。

債権の取立て

 債権の取立てとは、債務者から履行をうけることをいいます。売掛金を払ってもらうなどです。

 有価証券や不動産などは、売却等によって現金化するのが原則です。

 特定目的会社の債権について、たとえ少額であっても残した状態で清算結了することはできませんので、債権放棄などする必要があります。

債務の弁済

 債務の弁済とは、会社の債権者に対して、債務を弁済することをいいます。借金や請負代金の精算などです。

 清算人は就任してから2か月以内に、債権者に対して、官報公告をしなければいけません。2か月以上の一定の期間内にその債権の申し出をすべき旨の催告をします。

残余財産の分配

 特定目的会社の残余財産の分配は、清算人の決定により、社員に分配されます。

 

➡ 残余財産の分配について

特定目的会社の登記

登記手続き(特定目的会社)

 解散した特定目的会社は、その本店の所在地を管轄する法務局に対して、2週間以内に解散の登記を申請しなければなりません。それと同時に清算人の選任の登記もしなければなりません。

➡ 特定目的会社の登記申請についてはこちら

特定目的会社の清算結了の登記

 特定目的会社の清算が結了した場合には、社員総会の承認があった日から2週間以内に、本店の所在地を管轄する法務局において清算結了の登記をしなければいけません。

➡ 特定目的会社の清算結了登記についてはこちら

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各種会社(法人)の解散

 株式会社とは、株主から委任を受けた経営者が事業を行い、利益を株主に配当する会社のこと。株主は出資した限度で責任を負います。

 有限会社とは、以前設立が認められていた形態で有限会社法を根拠に設立させた会社のこと。現在は設立できません。

 合同会社とは、原則として出資者と経営者が同じで、所有と経営が一体化している会社のこと。出資者は株式会社と同様出資した限度で責任を負います。

 合資会社とは、有限責任社員と無限責任社員の2種類の社員が存在する会社のこと。

 合名会社とは、無限責任社員のみによって構成される会社のこと。社員全員が会社債務について直接無限の責任を負います。

 一般社団法人とは、人が集まった組織体で、剰余金の配当を行うことを目的としない法人のこと。

 一般財団法人とは、財産の集まりに対して法人格を与えられた団体のこと。一般社団法人と同じく剰余金の配当を目的としません。

 特定非営利活動法人とは、ボランティア活動などを行う団体で法人格が付与された法人のこと。

 医療法人とは、病院、医院や歯科医師が常時勤務する診療所又は介護老人保健施設を開設することを目的として設立された法人のこと。

 宗教法人とは、教義をひろめ、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを目的とした団体のこと。都道府県知事若しくは文部科学大臣の認証が必要です。

 学校法人とは、私立学校の設置を目的として設立される法人のこと。都道府県知事若しくは文部科学大臣の認可が必要です。

 社会福祉法人とは、社会福祉事業を行うことを目的として、社会福祉法の定めるところにより設立された法人のこと。

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村井 賢介

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