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解散した有限会社(清算会社)において、清算事務は清算人が行います。
清算会社においては、1人又は2人以上の清算人を置かなければいけません。解散した有限会社においては、清算人会を置くことはできません。
次に掲げる者が清算人となります。
① 定款で定める者
・定款で具体的に清算人を定めたときは、その者が清算人となります。たとえば、「当会社が解散した時は、解散時の代表取締役社長が清算人となる」といった定めがある場合です。
② 株主総会の決議によって選任された者
・株主総会によって清算人を定めたときは、その者が清算人となります。解散を株主総会の決議で決定した場合は、同時に清算人も選任するのが一般的です。
③ 法定清算人
・上記により清算人となる者がいない場合は、解散前の取締役が清算人になります。代表取締役であると否と問わず、取締役全員が清算人となります。取締役が複数いて、代表取締役がいる場合は、代表取締役が代表清算人となります。
④裁判所による選任
・上記①②③により清算人となるべき者がいないときは、裁判所は利害関係人の申立により清算人を選任することになります。
利害関係人とは、有限会社の債権者などが考えられます。解散前の取締役も株主も行方不明といったケースで利用されます。
清算人になるために特に要件があるわけではありませんが、次に掲げる者は清算人にはなれません。
① 法人
② 成年被後見人若しくは被保佐人又は外国の法令上これらと同様に取り扱われている者
③ 会社法等の規定に違反し、刑に処せられ、その執行を終わり、またはその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
④ 上記③以外の規定に違反し、禁固以上の刑に処せられ、その執行が終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者
清算会社はいつでも、株主総会の決議によって清算人を解任することができます。
株主総会の決議は、普通決議で足ります。取締役の解任と同じように解任をするのに特別な事情等は必要ありません。
株主総会の決議以外に、重要な事由があるときは、裁判所は利害関係人の申立により、清算人を解任することができます。
清算人の職務は次のとおりです。
現務の結了とは、解散前に着手していた事務を完了させることをいいます。まだ着手していない事業等はもともと事業計画で決めていても行うことはできません。従業員との雇用契約の解消、事務所の賃貸借契約の解約などがこれにあたります。
なお、現務を結了させるために必要であれば、新たに契約を結ぶなど法律行為をすることもできます。た例えば、清算するために必要な事務所を借りるなどです。
債権の取立てとは、債務者から履行をうけることをいいます。売掛金を払ってもらうなどです。
有価証券や不動産などは、売却等によって現金化するのが原則です。
清算会社の債権について、たとえ少額であっても残した状態で清算結了することはできませんので、債権放棄などする必要があります。
債務の弁済とは、会社の債権者に対して、債務を弁済することをいいます。買掛金の精算などです。
なお、清算会社は、一定の期間内(2か月)に債権者に対して、その債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければいけません。この期間内は、債務の弁済はできません。
代表清算人とは、清算会社を代表する清算人のことをいいます。
原則として、清算人は清算会社を代表します。ただし、他に代表清算人を定めた場合はこの限りではありません。
代表清算人の定め方として、
① 定款
② 定款に基づく清算人の互選
③ 株主総会の決議
によって清算人の中から代表清算人を選ぶことができます。
なお、清算人が2名以上いる場合でも、特に代表清算人を定めていなければ各自清算会社を代表することになります。
清算会社は監査役を置くことができます。
もともと、解散前に監査役を置いていた清算会社はそのまま監査役設置清算会社となります。
監査役は、その清算会社又はその子会社の清算人又は使用人を兼ねることができません。
清算会社の監査役は、清算人の職務の執行を監査することが主な職務です。
監査役は清算人や使用人に対して事業の報告を求め、また清算会社の業務及び財産の状況を調査することができます。そして清算人の行為が法令や定款等に違反する事実があると認められるときは、その旨を清算人に報告しなければなりません。
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