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解散した社会福祉法人(清算法人)は、清算事務は清算人が行います。
清算法人においては、1人又は2人以上の清算人を置かなければいけません。清算人会設置法人においては、清算人は3人以上必要です。
次に掲げる者が清算人となります。
① 定款で定める者
・定款に具体的に清算人を定めたときは、その者が清算人となります。実務的には少ないケースです。
② 評議員会の決議によって選任された者
・評議員会によって清算人を定めたときは、その者が清算人となります。解散を評議員会の決議で決定した場合は、同時に清算人も選任するのが一般的です。
③ 理事(法定清算人)
・上記により清算人となる者がいない場合は、解散前の理事が清算人になります。代表理事であると否と問わず、理事全員が清算人となります。
④裁判所による選任
・上記①②③により清算人となるべき者がいないときは、裁判所は利害関係人の申立により清算人を選任することになります。
利害関係人とは、社会福祉法人の債権者などが考えられます。解散前の理事も社員も行方不明といったケースで利用されます。
清算人の職務は次のとおりです。
現務の結了とは、解散前に着手していた事務を完了させることをいいます。まだ着手していない事業等はもともと事業計画で決めていても行うことはできません。従業員との雇用契約の解消、事務所の賃貸借契約の解約などがこれにあたります。
なお、現務を結了させるために必要であれば、新たに契約を結ぶなど法律行為をすることもできます。例えば、清算するために必要な事務所を借りるなどです。
債権の取立てとは、債務者から履行をうけることをいいます。売掛金を払ってもらうなどです。
有価証券や不動産などは、売却等によって現金化するのが原則です。
清算法人の債権について、たとえ少額であっても残した状態で清算結了することはできませんので、債権放棄などする必要があります。
債務の弁済とは、法人の債権者に対して、債務を弁済することをいいます。買掛金の精算などです。
なお、清算法人は、一定の期間内(2か月)に債権者に対して、その債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければいけません。この期間内は、債務の弁済はできません。
残余財産の引渡しとは、清算手続きが終わり、法人になお残った財産を引き渡すことをいいます。
残余財産の引渡先については、原則として、定款の定めに従うことになります。
代表清算人とは、清算法人を代表する清算人のことをいいます。
原則として、清算人は清算法人を代表します。ただし、他に代表清算人を定めた場合はこの限りではありません。
代表清算人の定め方として、
① 定款
② 定款の定めに基づく清算人の互選
③ 評議員会の決議
によって清算人の中から代表清算人を選ぶことができます。
なお、清算人が2名以上いる場合でも、特に代表清算人を定めていなければ各自清算法人を代表することになります。
清算人会とは、清算人が3名以上選任された場合にその全員によって組織され、清算事務の意思決定をする事務執行機関をいいます。
清算人が3名以上いる場合に自動的に清算人会が設置されるわけではなく、清算人会を設置するには、その旨を定款に規定しなければいけません。
清算人会は次に掲げる職務を行います。
清算人会設置法人では、清算事務の執行の方針など清算人会で決定します。清算人会を開催し、業務方針を決定いたします。
具体的な執行については、清算人(代表清算人)が担当し、職務を行います。
清算人会は、清算人が行う職務の執行ついて、監督します。
清算人は、3か月に1回以上、自己の職務の執行の状況を清算人会に報告しなければなりません。
また清算人が行う取引のうち、競業避止義務や利益相反に該当するような行為をする場合は、清算人会の承認を受けなければなりません。
清算人会は、清算人の中から代表清算人を選定しなければなりません。
また、清算人会は代表清算人を解職することができます。ただし、裁判所が選任した代表清算人については、解職することはできません。
清算法人は監事を置くことができます。
社会福祉法人において、監事は必須の機関ですが、清算法人において、監事を置くかどうかは任意です。
なお、監事は当該清算法人が監事を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をしたときは、その変更の効力が生じたときに退任することになります。
清算法人の監事は、清算人の職務の執行を監査することが主な職務です。
監事は清算人や使用人に対して事業の報告を求め、また清算法人の業務及び財産の状況を調査することができます。そして清算人の行為が法令や定款等に違反する事実があると認められるときは、その旨を清算人に報告しなければなりません。
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