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現金ではなく不動産で
会社は解散後、解散時に残った財産を換価し、最終的に株主に残余財産として分配します。残余財産の分配としては、通常金銭で行います。
会社が解散すると、取締役、代表取締役は退任します。退任時に退職慰労金を支給することがあります。退職慰労金は通常現金での支給ですが、不動産で現物支給することも可能です。
退職慰労金とは、取締役等の「役員」が退任するときに支給されるものをいいます。
退職慰労金は、在任中の職務執行の対価として支給される財産上の利益とされていますので、現金だけでなく、不動産等の現物での支給も可能です。
役員に対して支給される「退職慰労金」は、役員に対する報酬等として、定款又は株主総会の決議によってその額、具体的な算定方法、具体的な内容を定める必要があります。
会社名義の不動産を退職慰労金の給付によって、役員に名義変更するには、その不動産を管轄する法務局に所有権移転登記を申請する必要があります。
所有権移転登記をすることにより、不動産登記簿に「退職慰労金の給付」によって名義が変わったことが登記されます。
退職慰労金の給付による所有権移転登記は、解散会社と役員との共同申請により行います。
解散会社の代表者である「代表清算人」と株主がそれぞれ必要書類を添付して、管轄の法務局へ共同で申請することになります。
ただし、会社が解散する前に役員が退職することもあり得ますので、そのときは会社の「代表取締役」がそれを担うことになります。
退職慰労金の給付による所有権移転登記を申請するには、次の添付書類を用意する必要があります。
1.登記原因証明情報
→ 退職慰労金の給付の事実を記載した登記原因証明情報を作成する必要があります。
2.登記識別情報(権利証)
→ 解散会社が不動産を取得したときに発行された登記識別情報(権利証)
3.印鑑証明書
→ 代表清算人(代表取締役)の法務局へ提出した印鑑に関する印鑑証明書
4.住民票
→ 役員のものが必要です。
不動産の名義変更の登記を申請する場合は、登録免許税を納付しなければなりません。
退職慰労金の給付の対象となる不動産の固定資産税評価額の2%となります。
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