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営業保証金・弁済業務保証金分担金の取戻し|不動産会社を解散するときの流れと注意点を解説

 不動産会社を解散するとき、見落とされやすいのが営業保証金弁済業務保証金分担金の取戻しです。宅建業者の中には、

 ・保証協会に加入せず、法務局に営業保証金を供託している会社

 ・保証協会に加入し、弁済業務保証金分担金を納めている会社

 の両方があり、どちらに当たるかによって、解散後に進めるべき手続きが変わります。

 特に注意したいのは、「保証金は解散したらすぐ戻る」という理解は危険だという点です。

 営業保証金の取戻しでは、原則として官報による取戻し公告が必要で、公告掲載の翌日から6ヵ月以内に債権者から申出がなかった場合等に、はじめて取り戻せると案内されています。

 一方、保証協会の社員であった場合の弁済業務保証金分担金は、協会退会や協会内での精算が終わらなければ返還まで進みません。

 この記事では、不動産会社を解散するときの営業保証金・弁済業務保証金分担金の取戻しについて、違い、流れ、注意点を実務に沿って分かりやすく解説します。

営業保証金と弁済業務保証金分担金の違い

不動産会社の解散時に、まず整理しなければならないのは、自社がどちらの方式なのかです。

営業保証金とは

 保証協会に加入していない宅建業者は、営業保証金を供託所(法務局)に供託している場合があります。この場合、解散・廃業時には、法務局に供託している営業保証金の取戻しが問題になります。

弁済業務保証金分担金とは

 一方、保証協会に加入している宅建業者は、営業保証金を直接供託する代わりに、保証協会に弁済業務保証金分担金を納めています。この場合、会社解散後に問題となるのは、法務局の営業保証金ではなく、保証協会を通じた分担金返還です。

どんなときに取戻しの話が出てくるのか

 営業保証金や弁済業務保証金分担金の取戻しは、宅建業者としての地位を失う場合、つまり廃業や解散の場面で問題になります。

 宅建業者が廃業等の届出を行い、免許が効力を失ったとき、宅建業者であった者またはその承継人は、営業保証金を取り戻すことができます。また、法人が合併又は破産以外の理由により解散した場合、宅建業の廃業等届出の届出義務者は清算人とされています。提出時期はその日から30日以内です。このため実務では、

 1.会社法上の解散

 2.宅建業法上の廃業等届出

 3.免許証返納

 4.保証協会退会(加入業者の場合)

 5.営業保証金または分担金返還の手続

という流れで考えると整理しやすくなります。

営業保証金の取戻しの流れ

 ここからは、保証協会に加入していない会社が対象となる、営業保証金の取戻しについて解説します。

1.まず廃業等届出を行う

営業保証金の取戻しは、いきなり始めるものではありません。前提として、宅建業者としての免許が効力を失うことが必要であり、そのためには廃業等届出が必要です。提出書類としては、

 ・廃業等届出書

 ・届出事由を証する書面

 ・免許証 等

また、手数料はなし、提出時期は30日以内、提出部数は正本1部のみと案内されています。

2.官報で取戻し公告を行う

 営業保証金を取り戻す場合、原則として官報に取戻し公告を行う必要があります。「解散したら自動的に戻る」「法務局に行けばすぐ返ってくる」と思われがちですが、そうではありません。

3.公告後、すぐには戻らない

 営業保証金の取戻しで最も重要なのは、待機期間があることです。官報掲載の翌日から6ヵ月以内に債権者から行政庁あてに申出がなかった場合等に、営業保証金を取り戻すことができるとされています。つまり、営業保証金は、

公告 ➡ すぐ返還

 ではなく、

公告 ➡ 6ヵ月の待機 ➡ 条件を満たせば取戻し

という流れです。この6ヵ月を見込まずに資金計画を立てると、清算費用、税務費用、専門家報酬などの支払いに影響がでることがあります。

4.公告をした後も届出も必要

 東京都の案内では、官報電子化に伴い、令和7年4月1日から、営業保証金取戻し公告済届出書の添付書類として、WEB画面からダウンロードした官報データを印刷して添付する運用になったと案内されています。必要書類は次のとおりです。

 ・営業保証金取戻しの公告済届出書(第7号様式)正本1部・副本1部

 ・官報のダウンロードデータで印刷したもの1部・写1部(当該業者が掲載されているページ)

 このように、営業保証金の取戻しは、官報公告を出すだけで終わりではなく、公告後の届出まで含めて進める必要がある点に注意が必要です。

5.公告しないとどうなるのか

 営業保証金取戻し公告を行わない場合には、免許の失効から10年を経過したときから営業保証金を取り戻すことができるとされています。したがって、通常は、早期に取戻しを進めたいのであれば、官報公告を前提に動くことになります。

弁済業務保証金分担金の返還の流れ

 次に、保証会社に加入している会社のケースです。

 この場合、会社が取り戻す対象は、法務局に供託した営業保証金ではなく、保証協会に納めていた弁済業務保証金分担金です。

1.まず保証協会退会が必要

保証協会の社員であった場合、分担金の返還は、協会退会の手続きと切り離して考えることはできません。

 既存記事でも、保証協会の会員であれば、退会手続きと連動して、最終的に弁済業務保証金分担金の返還へ進んでいく整理されています。つまり、行政庁への廃業届だけでは足りず、

 ・宅建業の廃業等届出

 ・免許返納

 ・保証協会退会

 ・協会内での精算

 ・分担金返還

という流れを意識する必要があります。

2.返還の詳細は保証協会への確認が必要

弁済業務保証金分担金の取戻し(保証協会の社員であった場合)は、加入していた保証協会にまず連絡することが重要です。営業保証金のように「法務局への供託金を直接取り戻す」イメージではなく、加入していた保証協会側の手続きに沿って返還が進むため、地域や所属協会により、提出種類や精算手順の確認が必要になります。

3.すぐ返還されるとは限らない

 弁済業務保証金分担金も、退会届を出した瞬間に返ってくるわけではありません。協会手続きや精算が終わらなければ返還まで進みません。したがって、営業保証金ではなく分担金のケースでも、「戻る前提で清算資金を組む」のは危険です。

よくある失敗と注意点

  1.解散登記だけして満足してしまう

不動産会社の解散では、会社法上の解散登記だけでは終わりません。宅建業の廃業等届出、免許返納、保証協会退会、保証金の取戻しまで含めて考える必要があります。

2.30日以内の届出を軽く見てしまう

 廃業等届出の提出時期はその日から30日以内です。会社解散時は、株主総会、清算人選任、税務、取引先対応などが重なるため、廃業届の期限管理が甘くなりやすいです。

3.保証協会退会が自動だと思ってしまう

 保証協会加入業者では、行政庁への廃業届を出しても、保証協会退会が自動で完了するわけではありません。

4.古い様式や古い運用で進めてしまう

東京都では、令和7年4月1日から様式変更があり、旧様式での受付に注意が必要とされています。さらに、営業保証金取戻し公告済届出書の添付書類も、電子化後の官報データを印刷したものに変わっています。

5.免許証や関係書類の所在が分からない

 「古い免許証が見当たらない」

 「更新前の書類が混ざっている」

 「長年放置していて保管場所が不明」

というケースが、実務上のつまずきポイントとなります。

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各種会社(法人)の解散

 株式会社とは、株主から委任を受けた経営者が事業を行い、利益を株主に配当する会社のこと。株主は出資した限度で責任を負います。

 有限会社とは、以前設立が認められていた形態で有限会社法を根拠に設立させた会社のこと。現在は設立できません。

 合同会社とは、原則として出資者と経営者が同じで、所有と経営が一体化している会社のこと。出資者は株式会社と同様出資した限度で責任を負います。

 合資会社とは、有限責任社員と無限責任社員の2種類の社員が存在する会社のこと。

 合名会社とは、無限責任社員のみによって構成される会社のこと。社員全員が会社債務について直接無限の責任を負います。

 一般社団法人とは、人が集まった組織体で、剰余金の配当を行うことを目的としない法人のこと。

 一般財団法人とは、財産の集まりに対して法人格を与えられた団体のこと。一般社団法人と同じく剰余金の配当を目的としません。

 特定非営利活動法人とは、ボランティア活動などを行う団体で法人格が付与された法人のこと。

 医療法人とは、病院、医院や歯科医師が常時勤務する診療所又は介護老人保健施設を開設することを目的として設立された法人のこと。

 宗教法人とは、教義をひろめ、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを目的とした団体のこと。都道府県知事若しくは文部科学大臣の認証が必要です。

 学校法人とは、私立学校の設置を目的として設立される法人のこと。都道府県知事若しくは文部科学大臣の認可が必要です。

 社会福祉法人とは、社会福祉事業を行うことを目的として、社会福祉法の定めるところにより設立された法人のこと。

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